大分県ロールモデルPICK UP
大分県で活躍している女性を紹介!
ロールモデルとして自分の将来像を描けるように、様々な活躍の形を紹介しています。
相手を尊重し信頼関係を築く
小畑さんが社会福祉士を目指したのは、医療事務として病院に勤務していた時のことでした。「当時は病院で受付業務を行なっていました。困っている高齢の患者さんを目の当たりにしながら、仕事の範囲を逸脱しているという理由で、手助けできないことにもどかしさを感じて…」。そこから一念発起、通信制の大学に入学し、30歳で社会福祉士の資格を取得しました。
現在は日田市にある就労継続支援B型事業所「ミニえくぼ」で、生活支援員として活躍しています。同事業所では障がいを持つ利用者の就労をサポート。利用者が育てた野菜を出荷するために袋詰めし、販売するまでを支援しています。
1日当たり約2~3人の利用者を担当。あらかじめ障がいの程度や適性に合わせて作業は分担されていますが、当日の調子を見て仕事の割り振りを変更することもあるそうです。利用者と一緒に作業をしながら現場を管理するだけでなく、レジ業務や仕入れ、売り上げ管理など、仕事は多忙を極めます。しかし利用者から、「『小畑さんなら信用できる。大丈夫!』と声を掛けられるなど、信頼関係が生まれたと感じる瞬間は嬉しいですね。やりがいになります」。
今は社長や上司の「長所を見つけてほめるだけでなく、しっかりとダメなところはダメと伝える」という、利用者への真摯な対応を手本に仕事に励んでいるそうです。「大切なことは、ひとりの人間として尊敬すること。障がいの内容だけでなく、その人の性格や育ってきた環境までを総合的に考えて支援できるようになりたい」。理想とする福祉の実現、小畑さんのチャレンジは始まったばかりです。
安心して子育てできる職場との出会い
妊娠6カ月の時に入社した小畑さん。「子どもを育てながら働き続けられる職場を」と、復職を前提として雇用してもらえる環境を探しました。しかし妊娠中の就職活動は想像以上に難しく、「これが最後」と思って受けた面接。平川社長から、「がんばる人は応援します。子育てに協力するのは当たり前だから」と声を掛けられ、とても驚いたそうです。
育休は7カ月間取得しました。職場の居心地も良かったため、育休中もたまに会社に顔を出し、利用者との会話を楽しみながら仕事を手伝うことが子育ての息抜きになったとか。復職後、16時までの時短勤務を経て、現在は保育園のお迎えのため、定時の10分前に早上がりしています。「子育てへの理解があり、急な欠勤や早退にも気持ち良く対応してもらえる職場です」。
今は子どもの成長を見守るのが一番の楽しみだという小畑さん。子育てへの理解と協力が得られる職場にめぐり逢え、今までの苦労が報われました。
(大分合同新聞GX PRESS 2022年12月23日掲載)
株式会社シンシアリー
- 所在地
- 大分県日田市大字花月1407番地
- 主な事業内容
- 就労継続支援事業所(A・B型)、<br /> グループホーム、自立訓練(生活訓練)
- 従業員数
- 32名(男性20名・女性12名)